別館PCチラシの裏日記帳 第2章

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ペルケ式FET差動ヘッドホンアンプVer.3(不平衝)の製作①

ペルケ式FET差動ヘッドホンアンプVer.3の製作① 難易度★★★★
(不平衝型)
平衝と不平衝
高周波回路では平衝/不平衝と言う事は良く聞きますよね?テレビのアンテナ腺で300Ωと75Ωが良い例
今は見かけなくなった300Ωのフィーダー腺が平衝型、75Ωの同軸が不平衝型と言う事になります。
平衝(バランス型)の方が伝送ロスが少なく昔は良く使用されていました、しかしケーブルの構成上周りのノイズの影響を受けやすくブースター等増幅素子が普及した後は不平衝の75Ωへ主流は移りました。
不平衝伝送では周波数が高くなる程伝送ロスが多くなります。
平衝タイプで代表的なのがアナログの電話回線です不平衝タイプでは伝送ロスが大きい為遠方まで信号が送る事は出来ないのです。ADSLも広帯域な信号を遠方(とは言っても5-6Km程度)に送る事が出来ます。
対してケーブルテレビは不平衝、同軸ケーブルでネットワークを張り巡らせています。
遠方まで伝送が困難なので短間隔にライン増幅器を挿入しています、又同軸で長距離伝送の場合はBS/CSのIF 1.2GHz以上はカバーは困難となり苦肉の策が周波数変換パススルー方式なのです。
実はオーディオでも平衝型(バランス型)不平衝(アンバランス型)との分類が有りバランス型は主に放送局やプロのレコーディング現場で使用されている物ですが、最近アマチュアの間でも見直されているのです。
見分け方としてキャノン端子を使用していたりHPアンプなどは特殊なコネクタになっていてます。3Pコネクタのマイクなんか良い例ですよね(中には見かけだけで私の好きな(^^;;カラオケマイク等の実は不平衝の物も有ります)RCAピンジャックや同軸腺は基本使用しません。
平衝型はHot Cold 共通グランドで構成されステレオの場合は最低5腺必要です不平衝型はL,R 共通アースの3腺有れば良いのです。
 イメージ 7
左図は平衝と不平衝の配線例を示しています。
平衝型は信号をグランドに落とす事無く伝送を行います。
その為、グランドからのノイズの影響を受けにくくなっています。上記でも述べていますが伝送ロスが少ないのも特徴です。
又L,Rの信号のグランドラインが交差しない事からクロストークに対する特性も優れていると言われています。
対して不平衝の場合グランドが信号の-側にもなりますのでグランドからノイズの影響も受けてしまいます。
イメージ 6
伝送ロスも多くオーディオでは20m位が限界とされています。
不平衝型が多いカーオーディオの世界では過剰なまでのシールドが施されている高級ケーブルも存在します。
ノイズ源の多い車にこそ平衝型を採用すべきだと思うんですが..マイナスアース車の場合車のシャーシにも信号が流れる事を考えると尚更。
バランス型はどうしても回路が複雑になる為初心者向け とは言えませんので手始めは一般的なアンバランス型から始められると良いと思います。
オーディオの平衝型(バランス型)のメリットなどはこちらをご覧になればそのメリットが分かると思います。
ペルケ式FET差動アンプもバランス型(平衝)と今回私が作ろうとしているアンバランス型(不平衝)の2種類有りますので自分の用途に合った方を選んで下さいね。
 
使用基板の構想
早速、音質ではかなりの評判になっているペルケ式FET差動HPアンプの製作に取り掛かりましょう。
ペルケ式FET差動HPアンプVer.3 回路図
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回路図エディター
http://www.suigyodo.com/online/schsoft.htm
こちらはペルケさんオリジナル回路図を水魚堂の回路図エディタでデータ化した物です回路図はDraw系のソフトでデータ化していれば後で改造する場合チョコチョコ変更を加えられますので大変便利です
水魚堂の回路図エディターはフリーの割にはシンプルで大変扱いやすくてお奨めです。回路図を移すのに初めてでも大体30分程度で出来ました(花子は有料のくせに回路図作成には向きません)
その他、CADソフトも回路図作成に使う事が出来ます。
前回平ラグ版で組み込みを試みましたが、どうもケースも大型ケースを使わなければ行けなくてOPアンプ式に比べると結構大型化してしまうようです。
そこでユニバーサル基板に組み替える事にしました、初めは超小型化を目指して定番のサンハヤトICB-88で試みましたが無理が有りすぎ!コンデンサが4700μFの物も有りどうしてもはみ出てしまいます..ウーンどうしましょ..
しかし、ペルケさんのユニバーサル基板の組み込み例も大変親切に解説されていましたのでこちらを参考にする事にしました。
http://www.op316.com/tubes/hpa/new5-univ.htm
注意したいのは、これはVer.2の方の部品配列で15V用のパーツに変更しなければ行けません。パターンについては、Ver.2と殆ど変わらず電源部のダイオードの追加と抵抗の定数変更のみでこのままイケます。
TAKASU製作所製IC-301-72と言う独特のパターンを持っているユニバーサル基板(写真)を使用して私もVer.3型として組み立ててみる事にしました。
タカス電機製作所IC-301-72 購入価格\242
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ICB-88と違って裏にスズメッキ線を這わす事無く表から部品の切れ端をジャンパとしてスマートな組み込みが可能です、後で必ずするだろう?(^^;;パーツの交換も楽に出来ます。ただ、あんまり全国的には出回っておらず入手出来ない方はペルケさんの頒布も利用出来るのでこちらを利用しても良いでしょう。
 山形の秋葉原??の看板が気になる?お店
私はこの基板は近場の山形の秋葉原?でお馴染みの笹原デンキと言うパーツショップで入手出来ました!しかしAKB48は居ないしフィギアも有りませんでした(^^;; 当たり前なのです(笑
しかし、人なつっこいわんこがお出迎えしてくれて何か微笑ましかったですね(^^)雰囲気が私の思っているパーツショップで無い様な..「山形の秋葉原」だからさぞかし..と思ったら?店員さんも全然無愛想でもないし(^^;; (仙台のマルツや梅澤じゃ無い別のショップは酷かったですね)
寧ろここ↓でも言っていますが店主の方にドンドン聞いて下さい!
(しかしパーツ詳細や特性は聞いてはだめですよ店員さんも一々調べては居ませんので)
笹原デンキ(参考URL)
上記のブログの写真でお分かりかと思いますが雰囲気がアキバの昔ながらのラジオセンターやラジオデパートの様な雰囲気が漂っています、あのチョット薄暗い空間にパーツ独特の臭い...「あ!これは秋葉原だ!」と私は思ってしまいます(^^;; 偶にホントにアキバの秋月と書いてある電源アダプタが置いてあったり......どういう経路で仕入れているか知りませんが確かにアキバですよね(^^;;
意外と品揃えも豊富で上記ブログの写真右上に写っていますがケース類やシャーシも豊富!真空管用トランスやコンデンサも揃っています、チョット填まったらここに通ってしまいそうですね。(マルツには無いアナログな雰囲気が大変良いです!)
今回のFET差動アンプのパーツも半導体を除いてここで全て揃える事が出来ました。
PS..実はこのお店中学の頃しょっちゅう通っていた「笹原無線」が移転して出来た物だった事を初めて知りました。道理で店主の方はどこかで見た事有るような?と思いましたよ(^^;;
基板比較
イメージ 3
写真は基板比較ラグ版でも20P 15Pともなると長さがネックになりケースの奥行きが必要になります、結果的に大型化を余儀なくされてしまいます
(オーディオラックに置くには良いけどPCのサイドに置くにはでかすぎ!)
写真は各ベース基板の大きさ比較です。
20P平ラグだと私の大好きな?(^^; YM-180に納めようにも収まらずorz...しかし、IC-301-72ではYM-180では有り余る..まあ後でUSB-DAC機能を盛り込む予定も有りますのでこれが丁度良いですかね。
右上のサンハヤトICB-88だとコンデンサがはみ出る上に小型化はかなりのテクニックが要するようで却下!せざる得ません。(これは後でトランス式バッファで使用しましょ)
それとお値段!平ラグ版なんて安いだろ?と思って居ませんか?(^^;;昔は確かにユニバーサル基板よりは値段は安かったのですが、値段を見てびっくりしました!20Pが1枚\680もするんですよ!\680!
2枚で\1,360! チョット新たに買うにしても尻込みしてしまいますね、写真に写っているのは80年代に買った物が未使用のまま残っていたのでコリャ丁度良い!と思って喜んでいたら...でかすぎ!確か、ラ製かAudio誌に載っていたFET差動アンプと同じ様なヘッドホンアンプを組もうと思い購入した物だったかと..当時はお小遣いで十分買えて\680もしませんでしたよ!
今と物価も違いますが、抵抗、コンデンサは殆ど単価は当時と変わってないのです。
(製造中止の2SC1815等定番のトランジスタに関しては爆上げ(^^;; )
平ラグ板は一部真空管回路で需要有る物の今回のような半導体を平ラグで組む例も激減しました、つまり需要が無い訳で 
減産せざる得なくコストも高くなってしまうのです。
これに比べて、ユニバーサル基板の場合1枚\240で不平衝型なら2ch分入ります、(平衝型だと1枚で2chはきついです)コストパフォーマンスは抜群なのです。
それにユニバーサル基板版の方がどちらかと言えば初心者向けで平ラグ版はコンデンサや抵抗も好きなだけ変更出来て回路変更も楽に出来ます(この場合平ラグ板に拡張スペースを残す必要がある)ので研究好きのマニア向けと言えるのでは無いでしょうか? 
 
Ver.3の変更点
さて基板の選択が出来ましたので次いきます。
下の半手書きの汚い回路図が変更箇所です見にくくてスミマセンね!上の回路図使えば良いのに(^^;;
勿論ペルケさんのFET差動HPアンプVer.3と同じ回路図ですが、ピンクのマーキングの所が変更点です。
イメージ 4
※訂正:メインボリュームは(B)カーブと書いてますがAカーブでした大変失礼しましたm(_._)m
 
次にチョットペルケさんの実体図(凄く分かりやすいので)を拝借させて頂きました。m(_._)m
変更箇所を下記に示していますので、これに沿ってアンプ基板を組み立てていきます。
イメージ 5
黒いところは表面よりスズメッキ腺か部品の足の切れ端で配線していきます。
茶色の部分は被服腺でショートしないように注意して配線をしていきます。
上に示した抵抗値を15V用に変更して電源部のダイオードは3本直列に配線して一番下のグランドラインへ接続するようにします。
後はコンデンサもVer.2に比較して容量アップされているようで、それぞれの容量の物を刺していきます。
(後でコンデンサ交換も楽しめるように足を曲げずに半田付けしましょう!)
※毎度の事ですが、FET トランジスタ 電コンには極性が有りますので間違わないようにしてください。
※実体図で160Ω→150Ωに変更する部分が抜けていました m(_._)m
又この図は基板を表面から見た時の配置図になっていますのでご注意下さい。
 
と言う事で1つに収まらなそうなので、次回は基板組み立ての実際と出来れば試聴まで出来れば..良いな..と思って居ます(^^;; 続くのです..
 PS..今回はブログを自分のφ(..)メモ用にも活用してますのでご勘弁を!(^^;;