別館PCチラシの裏日記帳 第2章

世界一!長ーい記事のブログを目指していますw

インターネットの前世?懐かしのパケット通信とは!?

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押し入れを整理していたら、沢山のPC9801用の1.25MB FD(読む機械がありません(^^; )と1枚のMOディスクが発掘されました!w
5inchフロッピーは流石にハードオフからでもPC9801を500円ほどで買って来ないと読めないでしょうけど
MOだったらドライブも健在だったので読む事が出来ました!中身は・・・*.NPBとか*.DXGと拡張子が付く画像データとパケット通信のRBBSホストに使っていた20MB(^^;;;のHDDのツリー構成がそっくり出てきました。画像データは多分NAPLPSと呼ばれるベクトル方式の画像プロトコルのデータだと思います。
デコーダーもMS-DOS版が利用できるのですがWindows用は見あたらないので諦めました(^^;

電波を使ったコミュニケーション!パケット通信とは?

タイトル通り、アマチュア無線の電波にデータを乗せてコミュニケーションを図る手段の事を指します。
携帯電話でもパケットと言う言葉を聞きますがまさにそれに同じ事を20年近く前に既にアマチュア無線家の中でやっていたのです。
Windows95もまだ登場して無くてインターネット何て世の中には存在しない時代、ネットと言えば商用のNifty-ServerやPC-VANが主流で高額な通信費も伴っていました。
そんな中、無料で通信できるのがパケット通信だったので、それを目当てにアマチュア無線の免許を取る方も多かったのです。
仕様は・・通信速度は300bps又は1200bps(パケット通信末期に9600bpsも登場)で今思えば笑っちゃうほど低速でしたよね(^^;やり取りはバイナリー転送も出来ましたがテキストファイルが主でした。
プログラムはISHファイルと言うバイナリーデータをテキストに変換するプログラムを用いてやり取りが行われていました。画像データも転送量が少なくなるよう低速な通信速度でも効率的に通信が出来るように工夫がなされてNAPLPSやQLD XLD又はDXGと言う独自規格を用いてやり取りされていました。
お陰で時代が変わった今ではNAPLPSを除いて懐かしい画像の閲覧が出来ません(^^;
画像データが今のインターネットの様に多用されていたり意外と当時としては最先端を走って居たのです
それもその筈で通信費がタダだからこそ大きいファイルのやりとりも出来たのでしょう(^^;

変調方式はAFSK方式AFSK方式はマルチパスに弱くビルの谷間や山間部はたまたHF帯の電離層の状態によってはデータが復調できなくなる等しょっちゅうありました、後にはマルチパスや移動通信体に強いPSK方式(日本の地デジもこの変調方式の一種を使っています)も積極的に採用されて来ました。
基本プロトコルはAX25又は現在のインターネットの基礎となるTCP-IPも積極的に取り入れられて、周波数は430MHz又は1.2GHz帯、また国際転送用に10MHz 14MHz帯 国内用に21MHz帯が各使用されていました。

RBBSが当時流行!

RBBSとは無線を利用した電子掲示板と言う事です。この機能がTNC(ターミナルノードコントローラーと言いパソコンと無線機を繋ぐ機械、モデムの様な物)に内蔵されていたり、PC9801やPC-AT互換機用にプログラムが作られたりしていました。大まかにスタンドアローン型、転送型の2種類があり前者はローカルコミュニケーションに、後者は全国いや、アマチュア無線の特性上全世界を相手にコミュニケーションがなされていました。
転送型とはバケツリレー方式にデータ転送を行い、全国どこでも同じ情報を見たり、全国いや全世界に情報を発信したりすることが可能となるわけです。
転送型も3大ネットワークが存在していて、RLI系、MO-NET系、TCP-IPによるバイナリー転送系(パケットクラスター)です。
何故か各ネットワークのホスト局の仲が悪く転送の互換性は全くありませんでした、後期には転送系同士で別系にも転送を試みたりしていたようですが・・・
この中で当時は先進技術を採用したのがTCP-IP系でしょう、現在のインターネットと同じ基盤が既にネットワーク上に出来ていたわけですからね。
このTCP-IP(寺子屋ネット)ホストをローカルの局に強く薦められましたが転送量が半端無く多く100MBのHDDでは1週間も持たなく管理も大変なので私は断念しました。
勿論IPアドレスもしっかり付加される物でした。IPアドレスは県内の先頭を行くOMさんが管理されておりダブる事はありませんでした。
むしろ、勝手に開局してはならないネットワークでした、ローカル局と良く協議をしてIPアドレスが振られる形を取っていたと思います。

MO-NET系が一番後に普及した方式でn-88 BASICを基本としてプログラムは作られており誰しもが取っつきやすい日本人向けのネットワークだったと記憶しております。
そして一番後々まで残っていたのがRLI系に変わるF6FBB言うPC-AT互換機向けのFWD-RBBSで転送に圧縮技術が初めて搭載されました。この時からテキストファイルからバイナリーファイルの転送に変わっていったのです。2000年以降インターネットに常時接続サービスが普及してきた時はF6FBBとMO-NETがインターネット回線を利用した全国転送を開始!
それが徒となり何だか、インターネットなのかパケット通信なのかわからん状態になり徐々にSYS-OPが姿を消していきネットの減退に陥ってしまったのではないでしょうかね?

Sys-OPと呼ばれるRBBSのホスト局には無線の免許と設備さえあれば誰しもがなる事が出来ました。しかし、ホスト局も設備がしっかりしていてメンテナンスもこまめにやらないと閑古鳥が鳴いたり転送の足枷になってしまったり苦労も有った物と見られます。
MO-NETのホスト局の様子、何故か当時の私が写ってます・・恥ずかしいからモザイク処理しました(^^;w
奥のラックに並んでいるのは、HF帯(YAESU FT-767 FT-747)430/144MHz帯(KENWOD TR-751D YAESU FT-712H)の無線機とTNC、後から登場したPSK方式を採用するため外部モデムを繋いである。手前は、ホスト用パソコンPC9801FA+SCSI 100MB(100GBじゃ無いですよw) HDD手前がPC-9801VM外付けHDDはSASI 40MB(テキストファイルが主流の当時はこれで十分だったのです)
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転送に使われたアンテナ群!
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下の大きなアンテナは21MHz帯モノバンダー九州、沖縄のキー局から転送を受けたり、東北地方の書き込みをキー局に送出するのがこちら、上の垂直スタックアンテナが430/144MHz帯用キー局から受け取った情報群を山形県のメインホスト局に送出するためのアンテナで地形的にUHF帯の430MHzでは越境できない時もある為予備で144MHz帯を使用する事もありました。
手前が430MHz 11段コーリニアこちらは末端ユーザー(非ホスト局)向けになるので無指向性のアンテナが用いられています。
こんだけ、RBBS用に設備を揃えて人の為尽くして下さるホストの方々が沢山居たからこそ当時パケット通信が発展していったのだと思いますね。
ホストになる方は、普通の喋ったりCW(トンツー)に飽きて設備を再利用される方も多かったようです。


そう言うバケット通信も一部のDXerの方がバケットクラスターを運用するのを除いて今はもうもう絶滅寸前(==)インターネットに押された形になったのでしょうかね。


そしてアマチュア無線自体も今は瀕死の状態なのです。144MHzもあんなに人が居たのに今は数局トラックの運ちゃんが使って居るのみ・・・今は携帯も有るし必要無いんでしょうかね。
※この記事を書いた2009年現在の事で2011年3月11日の未曾有の大災害と言われた東日本大震災後、携帯ネットワークの脆弱性も露わになりアマチュア無線が見直されているそうです。
実際、車に144/430MHzアンテナを付けている方が多くなっています。

パケット通信のトレビア

①インターネットでは現在個人情報はガチガチなセキュリティで守られていますが、そんな技術がない当時は電話番号や住所は垂れ流し!コールサインがパケットのヘッダーに必ず付加される為コールブックで調べれば住所や電話番号がわかってしまう!個人情報を控えていてもバレバレwwwハハハハ(^^;
なので、掲示板も2chの様な便所の落書きになることも無くとても紳士的な書き込みが多かったのです。
そもそもアマチュア無線は暗号通信自体禁止されていますから必然的にそうなるのですw 今思うと怖いですよね(^^;;;;;

②そんな中で個人売買やオークション(一部で散見されました)もパケット通信で行われていました!
高額な商品も平気でやりとりされていたのです。それでもイタズラメールが無かったことは当時はいかに紳士的な方が多かったことか・・それに引き替えヤフオクは何ですか?あれは?(^^;

フリーソフトパケット通信で入手がトレンド!今は、フリーソフトと言えばインターネットで気軽に入手できる時代ですが当時は、でかいファイルが多いFSWパケット通信で入手するのが主流だったのです。有線のパソコン通信を併用しているUSERがパケット通信のRBBSに転載してくださるのでかなり助かっていた方も多かったのです、なんてったって通信料が完全無料!だったからですhi(電気代のみ!)

④Eメールアドレスはコールサイン!? パケット通信にもメール機能がありました。
E-mailアドレスは現在 xxx@ooo.co.jpとか付きますが、単純にコールサインがE-mailアドレスだったのです。勿論全国、全世界どこにでもメールが送れるのは現在と同じですコールサインなら全世界でダブることは絶対無いのでそれで良かったのですね。
但し、TCP-IPの場合インターネットと同じですから現在と同じ書式が使われヘッダーはコールサインと@以降は地域を示す様になっていました。

2010/9/4追記・・
※実はそのMO-NETを開発された元祖MO-NETさんからRes頂きました!
あまりの感激と懐かしさのあまり飛び上がってしまいました(^^;
と同時にNETを自分たちのでカスタマイズ出来たあの当時が懐かしくなってしまいました・・
では..
*** DISCONNECTED なのです
(^^;;